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住宅設計室

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家のデザイン

基本的に小さな家づくりを提案したいと思います。「立って半畳、寝て一畳、天下取っても四畳半」と言いますが、これを家づくりに応用すると本当に必要なスペースが浮かび上がります。そして間取りを工夫して共用できるようにすれば、家族は勝手に居場所をつくって自由な使い方が出来ます。機能的に区分することが現代的な家づくりのようにみえますが、そうすると普段必要でない部屋も一時の機能性のために造ってしまう事になりがちです。小さな家づくりとは単にボリュームの小さな家を造ることではなくて、住まい方をミニマムにデザインするということですが、それぞれの家族の大きさに応じたミニマムデザインで小さな家にしたいと思います。

生活をデザインする

家を計画する際はソフト、ハード両面からの条件に影響されます。プランはその条件内で実現されますから、できたり出来なかったりすることがあります。条件を限度という枠で捉えると「大で小を兼ねる」ことは出来ず「小で大を兼ねる」デザインが必要になります。これは縮小して我慢するのではなく「これでいい」と力を抜いた開放感と考えることができます。そして家は継続性をもって「住まう」ものとしてデザインすることが大事だと考えています。

材料をデザインする

家には様々な建築材料(設備)が組み込まれますが、カタログ製品は基本的にモデルチェンジがあります。そのため後々必要な時にモノがない、部品がないことがあります。もちろん耐久性も考えられていると思いますが気に留めておきたいことです。また新商品や新機能は人の目を引きますが、別の視点からは定番商品や小さな工夫で使える、そして愛着を生む材料・製品の選択もあると思います。そして廃棄時の環境負荷にも気を配る必要があります。皆地元にゴミ捨て場はいらないと言います。生活に必要な機能(もののはたらき)を一度見直して、適当な選択をすることにも気を配りたいと思います。

構造をデザインする

木造住宅の場合「軸組工法」と「ツーバイフォー工法」の二つがありますが軸組工法で設計します。軸組工法の建物は簡単にいうと木の棒を組み合わせた構造です。これにより経済的な梁スパンとして飛ばせるのは2間(3.64m)までと考えています。設計の際はこれを前提に柱梁を格子状に組上げていき、同時に生活空間を割付けていきます。その格子状の中に耐力的要素を付加する部分がありますので、それは力の伝達が適うように考えなくてはいけません。部分を考えつつ全体を考え、全体を考えつつ部分を考える。行きつ戻りつを繰り返してより良くしなくてはなりませんが、木に寄り添うことを忘れると特別な方法をとることになります。ですから無理のない軸組をデザインすることを心掛けています。

姿をデザインする

人の感情として格好よい家を建てたいというのはあると思います。それが形なのか素材なのか装飾なのかは知れませんが、大きなウェイトを占めるのが屋根だと思っています。特に木造の場合勾配屋根が必要です。その屋根の姿の元になるのが建物平面です。この二つが建物の姿を決定する要素だと思います。これに素材(意匠)がバランスよく組み合わさった時に格好よいと感じるのではないでしょうか。装飾はいわゆるスパイスで使い方を誤ると下品になる難しい要素です。ともあれ最後に被せるイメージの強い屋根ですが、平面はもとより屋根もまた住まい方を誘導します。形をものの表現と捉えると、姿というのは何かしらの背景から導き出された見え方と考えられます。住宅の姿は何かを身にまとった人の姿に通じるものがあると思います。